
韓国人は豚肉をよく食べる。多様な豚肉料理の一つであるとんかつは統治時代に日本人が持ち込んだ。
とんかつは豚(とん)とフランス料理のカツレツを組み合わせた造語で、発祥は諸説あるが、1899年、銀座・煉瓦亭のメニューが最初というのが定説だ。
韓国には統治時代の30年代までに伝わった。当時は富裕層を象徴する料理で、60年代にスタイルが確立して庶民に普及した。
韓国語には「ツ」の音がなく、韓国国立国語院が定めた外来語表記では、日本語の「ツ」は「ス」と表記する。
最近は日本式のとんかつ料理も増えており、韓国式のとんかつ料理はトンカス、日本式とんかつ料理は「トンカチュ」と書かれて区別されている。
トンカスは、豚肉をハンマーで叩いて薄く伸ばしてから油で揚げる。野菜と一口大の丸いご飯を同じ皿に盛り、白いスープが供される。
統治時代に日本人が伝えたとんかつが、このハンマーで叩く料理法だった。
日本ではいまはほとんど見られないが、韓国のトンカスは90年経ったいまでも統治時代のとんかつ料理を律儀に守っている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ead540dcb89c2006e8cc0c302dea0fa7306327f