
リビア移民施設の空爆は「戦争犯罪に相当」 国連が非難 - BBCニュース
https://www.bbc.com/japanese/48863804
リビアの首都トリポリ郊外で2日夜、移民収容施設「タジューラ収容センター」が攻撃され、
少なくとも44人が死亡、130人が負傷したことについて、国連は3日、戦争犯罪に相当する
可能性があるとして、攻撃を非難した。犠牲者のほとんどは、アフリカ各地から欧州を目指し、
リビアにたどりついた人たちとみられる。
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のミチェル・バチェレ氏は、攻撃された施設の場所や、
収容者に関する情報が、リビア内戦のすべての当事者に渡っていたと明らかにした。
「この攻撃は、正確な状況次第では、戦争犯罪に値する可能性がある」
国連のリビア支援団(UNSMIL)の声明によると、ガッサン・サラメ・リビア担当国連事務総長
特別代表は、「収容され、悲惨な状況下にあった罪のない人々が、不意打ちで殺害された
ことを鑑みれば、この空爆が戦争犯罪に相当するであろうことは明白だ」と述べたという。
アントニオ・グテーレス国連事務総長は、報告を受けて憤ったと述べ、
「犯人が確実に処罰されるよう」独立した捜査を求めた。
国連安保理の緊急会合
国連安全保障理事会は3日、非公開の緊急会合を開き、空爆を非難する声明の
文案を検討した。しかし、アメリカが政府の承認なしに署名できないとしたため、
まとまらなかったとAFP通信は報じている。
米政府の承認が得られなかった理由は不明。国連安保理はこの日、声明を出さなかった。
リビアでは2011年に反政府デモを発端に、ムアンマル・カダフィ大佐が支配した長年の
独裁政権が崩壊して以来、激しい内戦が続いている。
2日の空爆について、国連が支援する国民合意政府(GNA)は、同国東部を支配し
「リビア国民軍(LNA)」を名乗る反政府組織による犯行だとしている。
一方で、元国軍将校のハリファ・ハフタル将軍率いるLNAは、国民合意政府による
空爆だと非難している。
(以下略)