コロナ禍の前まで、好景気に湧く米国でトランプ大統領の再選は固いとも目されてきた。対する民主党の候補者選びは迷走。オバマ民主党政権で副大統領を務めたバイデン氏が指名を確実にしたが、新鮮味に欠けることは否めなかった。
ところが、そうした情勢を一変させたのが、黒人圧死事件に端を発する全米の暴動だ。5月25日、ミネソタ州ミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイド氏が白人警官による逮捕の際に死亡。これをきっかけに、人種差別抗議のデモと暴動が全米に吹き荒れた。
よりによってバイデン候補は黒人票に強いことで有名だ。焦ったトランプ大統領は当初、首都ワシントンでのデモ制圧に連邦軍を動員しようとするなど強硬策を取ろうとしたが、激しい批判を浴びて断念に追い込まれた。
米国事情に詳しい外交関係者はこう言う。
「マティス前国防長官が『アメリカを分断しようとしている初めての大統領だ』と痛烈に批判、現役のエスパー国防長官も連邦軍出動を拒否したのが決定的でした。トランプ氏に公然と反旗を翻した閣僚は即座に更迭されるのが通例でしたが、トランプ大統領はエスパー氏を解任できていません。
6月12日にはアトランタで黒人男性が警官によって射殺される事件も発生、混乱は収まっていません。11月3日の大統領選挙でトランプ氏が負ける可能性が現実味を帯びてきたという雰囲気が、ワシントンでは広がりつつあります」
こうした米国の混乱を見透かすかのように、中国政府が攻勢を強めている。
5月28日には全国人民代表大会(全人代)が、香港立法会(議会)での審議を経ないで「香港国家安全法」を導入することを決定。昨年の「逃亡犯罪人引渡条例」への抗議デモで見られたような香港の民主化運動は今後、国家転覆や外国勢力との通謀の名目で徹底的に取り締まられることになる。香港の民主化運動が先鋭化して「独立運動」の様相を呈するようになればなるほど、袋小路に陥る可能性が高い。
香港の将来を見限った若者や富裕層の海外脱出が既に始まっているが、最後まで抵抗する民主化勢力に業を煮やした林鄭月娥長官の「要請」に応じて、人民武装警察あるいは人民解放軍が香港に進駐するという「悪夢」も、絵空事ではなくなってきているのだ。
一方で、トランプ政権は中国制裁の強化に乗り出している。米中貿易紛争はコロナ禍で一時的に停滞状態にあったが、トランプ政権は5月15日、台湾TSMC社などの受託製造会社(EMS)を通じた半導体の対中輸出規制を強化した。実質的にファーウェイを狙い撃ちした形だ。
「戦時大統領」を気取ってコロナ対策の指揮を取っていたトランプ大統領だが、行きあたりばったりの方針に批判が殺到しており、全米の感染確認者数は現時点で200万人、死者は11万人を超えている。大恐慌以来の不況到来も確実視される中、トランプ大統領が批判の矛先を変えるべく中国叩きに熱を入れ始めたのだ。5月29日には中国寄りだと批判していたWHOからの脱退も表明している。
今後トランプ大統領が、香港への攻勢を強める中国政府に対して、対中輸出入の全面禁止など衝撃的な貿易政策を取ってくる可能性はゼロではない。しかし、サプライチェーンを中国に依存する米国自身が、逆に打撃を受けかねない。
続く
以下ソース
https://friday.kodansha.co.jp/article/118816
★関連板★
■えっちな話題なら”ピンクニュース”
http://mercury.bbspink.com/hnews/
■新作AV情報なら”AV情報+”
http://mercury.bbspink.com/avplus/