1/9(水) 19:16配信
Web東奥
青森市の就労継続支援施設「ほ・だあちゃ」の障害がある通所者らが約3年をかけ、周囲の協力を得ながらティッシュペーパーで覆われた雲形のランプシェードを完成させた。どの製品も一つ一つ個性あふれた出来上がり。本人が責任を持って工程を担い、収入増にもつながるため、通所者の意欲を引き出す取り組みとして期待は大きい。製作メンバーは「世界に売り出したい」と意気込む。
製品化は、ほ・だあちゃを建設した同市の森内建設・森内忠良社長(65)が発案した。授産施設での仕事は、製品の一部だけを作ることが多い。「完成品を手掛けることで、障害者自身が社会に参画する意識につながるのでは」と森内社長は考えた。参考にしたのが美術家で県立青森若葉養護学校の蒔苗正樹教諭(57)が制作した表面をティッシュで覆い、中から明かりをともした立体の女性像。蒔苗教諭もほ・だあちゃを運営するNPO法人「ドアドアらうんど・青森」(佐藤智子代表)と付き合いがあった。
蒔苗教諭がシリコンゴムで型を作り、製作方法も指導。デザインはふわっとして、誰が見ても心が和むとの理由で空に浮かぶ雲をイメージし、商品名は「ような」とした。「雲に限定せず、さまざまなイメージを抱いて『○○のような』と想像してほしい」(蒔苗教諭)との思いが込められた。
素材をティッシュにしたのは取り扱いが簡単で手触りが良く、作業中にけがをしないようにとの配慮だ。ティッシュ4等分に分けて張り付けていき、接着剤で固めて仕上げる。製品1個の工程をほぼ1人で担う。
製作に携わった竹村秀之さん(51)は「張り方が薄くなったり、厚くなったりしないように気を付けている」と話す。形は同じでも、それぞれ張り方が異なるティッシュを通した光は柔らかく千差万別。今恵美子さん(39)は「個性が出て良い。完成度が高い時は、自分の作品ができた感覚」と面白みを口にした。
試行錯誤を重ね、2015年夏から3年間で、試作品は約300個に上った。大きさは長さ43〜45センチ、高さ23〜25センチ、幅18〜20センチで、重さは約150グラム。LED電球採用など最終的な製品化には市内の電気設備工事「北電」が協力した。同社の山谷雅英社長(65)は「規格を合わせるのには苦労した。だが製品には、通所者の自由な発想が生きている」と感心する。
一つ出来上がるまで1週間はかかる。価格は卓上用5万円台、スタンド9万円台と決して安くないが、佐藤代表は「それぞれ違いがあり、アートといえる価値ある物」と強調する。森内社長も「量産化できないので高いが、製品に込められた『思い』を買ってほしい」と話した。
施設のサービス管理責任者・塩谷寛子さんは「就労を支援する施設とはいえ、現実には就職にまで結び付かず何年も通う人が多い。賃金アップにつながる取り組みとなれば、通所者の希望となる」と期待する。
試作品を最も多く手掛けた加藤豪生さん(34)は「商品化され販売される物を生産できる喜びがある。日本全国、いや願わくば世界に出していければ」と目を輝かせた。
問い合わせはドアドアらうんど・青森へ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190110-00000006-webtoo-l02
Web東奥
青森市の就労継続支援施設「ほ・だあちゃ」の障害がある通所者らが約3年をかけ、周囲の協力を得ながらティッシュペーパーで覆われた雲形のランプシェードを完成させた。どの製品も一つ一つ個性あふれた出来上がり。本人が責任を持って工程を担い、収入増にもつながるため、通所者の意欲を引き出す取り組みとして期待は大きい。製作メンバーは「世界に売り出したい」と意気込む。
製品化は、ほ・だあちゃを建設した同市の森内建設・森内忠良社長(65)が発案した。授産施設での仕事は、製品の一部だけを作ることが多い。「完成品を手掛けることで、障害者自身が社会に参画する意識につながるのでは」と森内社長は考えた。参考にしたのが美術家で県立青森若葉養護学校の蒔苗正樹教諭(57)が制作した表面をティッシュで覆い、中から明かりをともした立体の女性像。蒔苗教諭もほ・だあちゃを運営するNPO法人「ドアドアらうんど・青森」(佐藤智子代表)と付き合いがあった。
蒔苗教諭がシリコンゴムで型を作り、製作方法も指導。デザインはふわっとして、誰が見ても心が和むとの理由で空に浮かぶ雲をイメージし、商品名は「ような」とした。「雲に限定せず、さまざまなイメージを抱いて『○○のような』と想像してほしい」(蒔苗教諭)との思いが込められた。
素材をティッシュにしたのは取り扱いが簡単で手触りが良く、作業中にけがをしないようにとの配慮だ。ティッシュ4等分に分けて張り付けていき、接着剤で固めて仕上げる。製品1個の工程をほぼ1人で担う。
製作に携わった竹村秀之さん(51)は「張り方が薄くなったり、厚くなったりしないように気を付けている」と話す。形は同じでも、それぞれ張り方が異なるティッシュを通した光は柔らかく千差万別。今恵美子さん(39)は「個性が出て良い。完成度が高い時は、自分の作品ができた感覚」と面白みを口にした。
試行錯誤を重ね、2015年夏から3年間で、試作品は約300個に上った。大きさは長さ43〜45センチ、高さ23〜25センチ、幅18〜20センチで、重さは約150グラム。LED電球採用など最終的な製品化には市内の電気設備工事「北電」が協力した。同社の山谷雅英社長(65)は「規格を合わせるのには苦労した。だが製品には、通所者の自由な発想が生きている」と感心する。
一つ出来上がるまで1週間はかかる。価格は卓上用5万円台、スタンド9万円台と決して安くないが、佐藤代表は「それぞれ違いがあり、アートといえる価値ある物」と強調する。森内社長も「量産化できないので高いが、製品に込められた『思い』を買ってほしい」と話した。
施設のサービス管理責任者・塩谷寛子さんは「就労を支援する施設とはいえ、現実には就職にまで結び付かず何年も通う人が多い。賃金アップにつながる取り組みとなれば、通所者の希望となる」と期待する。
試作品を最も多く手掛けた加藤豪生さん(34)は「商品化され販売される物を生産できる喜びがある。日本全国、いや願わくば世界に出していければ」と目を輝かせた。
問い合わせはドアドアらうんど・青森へ。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190110-00000006-webtoo-l02
