雇用労働部が先月30日に発表した「7月事業体労働力調査」資料によれば、従事者1人以上の事業体の今年上半期の1人当り名目賃金が消費者物価上昇率(2.8%)を下回る2.4%の増加にとどまり、実質賃金が0.4%下落したことが分かった。実質賃金はこれに先立つ2022年に前年対比0.2%下落し、2023年には1.1%下落した経緯がある。実質賃金の下落は1998年の外国為替危機の時と2008~2009年の世界金融危機の時にも起きたが、下落傾向が3年連続で続くのは1993年に事業体労働力調査が始まって以来初めてだ。2年半にわたる実質賃金の累積下落幅は1.6%に達する。300人未満の事業場では2.2%減少し、300人以上の事業場では0.8%減少しており、小規模事業場での賃金損失がさらに大きかった。
実質賃金の下落は名目賃金の増加率が消費者物価上昇率に追いつけない場合に起きうる。新型コロナ直後には物価高が続き、実質賃金が下落した側面がある。実際、2022年の場合、名目賃金上昇率が4.9%で高い方だったにもかかわらず、消費者物価が5.1%も上がり、実質賃金が0.2%下落した。
しかし2023年と今年上半期には名目賃金の上昇率が各々2.5%、2.4%に留まった。2011~2021年の間の名目賃金の年平均上昇率は3.53%であった。物価上昇率が多少鈍化したにも関わらず実質賃金が下落した原因は、物価より名目賃金上昇率の下落側にあるという意味だ。韓国労働社会研究所のキム・ユソン理事長は「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府になって労使間の力関係が使用者側に傾き、最低賃金の引上げ率もきわめて低く、名目賃金上昇率が下がり実質賃金の下落まで起きている」とし、「階層間の所得格差を拡大し内需不振にともなう景気悪循環を招く恐れがある」と話した。
家計所得の根幹を成す賃金水準の実質的下落は民間消費の動力を弱化させている。今年に入って輸出は比較的速いスピードで回復しているが、内需の低迷は依然として続いている。中央銀行である韓国銀行(韓銀)は、今年上半期の実質経済成長率を2.8%(前年同期比)と集計し、民間消費の伸び率が1.0%に止まったと明らかにした。
経済成長率に大きく遅れを取っている実質賃金の伸び率は、家計所得に悪影響を及ぼし、内需回復の足かせになりかねない。亜洲大学のキム・ヨンギ教授(元雇用委員会副委員長)は、「輸出大手企業中心の韓国経済では、自然発生的なトリクルダウン効果はほとんど起こらない。財政を通じた再分配でトリクルダウン効果を起こさなければならない」と述べた。しかし、政府は経常成長率(4.5%)を大きく下回る3.2%の総支出増加率で予算案を編成し、緊縮財政基調を続けている。
チョン・ナムグ先任記者
ハンギョレ 2024-09-05 19:23
https://japan.hani.co.kr/arti/economy/51029.html
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