5月27日に韓国・ソウルで行われた日中韓首脳会談を取材するため、北京から現地入りした。会談は2019年12月に中国・成都で行われて以来。取材した前回は、日本から安倍晋三首相、中国から李克強首相、韓国から文在寅(ムンジェイン)大統領(いずれも当時)が出席した。この約4年半で安倍氏、李氏の2人が亡くなったことを思い起こし、時の流れを強く感じた。
ソウルの街では成都との違いを意識した。成都では日中韓3カ国の国旗が街のあちこちに掲げられていたが、ソウルでは今回、日本と中国の国旗を見ることはあまりなかった。
日中両国との関係が影響しているせいかと思い、韓国のメディア関係者に尋ねると、「国旗が大々的に掲げられないのはいつものことで違和感はない。中国とはやり方が違う」との反応で、拍子抜けした。
取材を終えて北京に戻り、空港から市内中心部へタクシーで向かっていると、道端にあまり見覚えのない国旗が多くはためいているのが見えた。
北京ではちょうどそのころ、アラブ諸国の国家元首らを招いた会議が開かれ、市中心部では賓客のために交通管制が強化され、渋滞に出くわすことも少なくなかった。中国流の外交スタイルを改めて、肌で感じた。
産経新聞 2024/6/7 07:00
https://www.sankei.com/article/20240607-STQF5CJQYNLBXAOSMDBNCDY3GY/