https://mainichi.jp/articles/20220201/k00/00m/010/254000c
毎日新聞 2022/2/1 20:55(最終更新 2/1 20:55) 780文字
首相官邸=本社ヘリから
政府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI、議長・岸田文雄首相)は1日、大学の研究支援のために創設する10兆円規模の「大学ファンド」について、支援先の要件など制度の仕組みを決定した。支援校は数校から開始し、名称は「国際卓越研究大学」とした。2021年度末にも資金の運用を始め、運用益の目標額は年3000億円と見込む。支援校は23年度までに公募で選定し、24年度から1校当たり年間数百億円を支援する計画。支援校は段階的に増やすという。
大学ファンドは、長引く日本の研究力低迷の打開策として政府が「異次元の政策」としている。ファンドは国立研究開発法人の科学技術振興機構(JST)内に設置する。支援校の名称は、昨年公表した制度の骨子案では「特定研究大学」としていたが、世界最高水準の研究大学を目指すことを強調するため変更された。
選定の条件は、世界トップクラスの研究者が集まる研究領域の創出・育成▽優秀な博士人材の育成▽若手研究者が存分に研究できる環境の整備――など。支援校には年3%の事業成長や独自基金の拡充、大学のガバナンス(組織統治)改革を義務付けた。支援対象から漏れた大学には、特定の分野に強みを持つ大学などに対する支援策「総合振興パッケージ」を用意した。
内閣府によると、非公開の会議では、CSTI議員から「二つの政策を連動させながら研究力強化につなげていくことが肝要だ」「大学改革と基礎研究力強化の、これまでで最大で最後のチャンスと認識している」などの意見があった。
一部の大学教員から支援校が限定されたことに批判が出ていることについては、小林鷹之科学技術担当相は1日の閣議後記者会見で「さまざまな意見があることは承知しているが、これまでの延長線上の政策だけでは(世界の)先端大学と伍(ご)する研究力を獲得することは難しい」と述べた。【鳥井真平】
毎日新聞 2022/2/1 20:55(最終更新 2/1 20:55) 780文字
![政府、大学ファンドの制度設計決定 10兆円規模、24年度支援開始 [ひよこ★]->画像>1枚](https://cdn.mainichi.jp/vol1/2019/04/24/20190424k0000m010053000p/9.jpg)
首相官邸=本社ヘリから
政府の総合科学技術・イノベーション会議(CSTI、議長・岸田文雄首相)は1日、大学の研究支援のために創設する10兆円規模の「大学ファンド」について、支援先の要件など制度の仕組みを決定した。支援校は数校から開始し、名称は「国際卓越研究大学」とした。2021年度末にも資金の運用を始め、運用益の目標額は年3000億円と見込む。支援校は23年度までに公募で選定し、24年度から1校当たり年間数百億円を支援する計画。支援校は段階的に増やすという。
大学ファンドは、長引く日本の研究力低迷の打開策として政府が「異次元の政策」としている。ファンドは国立研究開発法人の科学技術振興機構(JST)内に設置する。支援校の名称は、昨年公表した制度の骨子案では「特定研究大学」としていたが、世界最高水準の研究大学を目指すことを強調するため変更された。
選定の条件は、世界トップクラスの研究者が集まる研究領域の創出・育成▽優秀な博士人材の育成▽若手研究者が存分に研究できる環境の整備――など。支援校には年3%の事業成長や独自基金の拡充、大学のガバナンス(組織統治)改革を義務付けた。支援対象から漏れた大学には、特定の分野に強みを持つ大学などに対する支援策「総合振興パッケージ」を用意した。
内閣府によると、非公開の会議では、CSTI議員から「二つの政策を連動させながら研究力強化につなげていくことが肝要だ」「大学改革と基礎研究力強化の、これまでで最大で最後のチャンスと認識している」などの意見があった。
一部の大学教員から支援校が限定されたことに批判が出ていることについては、小林鷹之科学技術担当相は1日の閣議後記者会見で「さまざまな意見があることは承知しているが、これまでの延長線上の政策だけでは(世界の)先端大学と伍(ご)する研究力を獲得することは難しい」と述べた。【鳥井真平】