https://mainichi.jp/articles/20200211/k00/00m/040/022000c
毎日新聞2020年2月11日 11時06分(最終更新 2月11日 11時06分)
発刊した指針を手にする佐藤慎哉教授(右から2人目)、「患者・家族支援会」の中井宏代表理事(右端)ら=山形市で2020年2月10日、的野暁撮影
事故やスポーツの衝撃などで髄液が漏れ、激しい頭痛やめまいを引き起こす脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)について、厚生労働省の研究班(代表・嘉山孝正山形大医学部参与)が発症原因や症状、治療法などの指針をまとめ、同大医学部が10日、山形市内で記者会見して発表した。
昨年7月に指針の概要を発表し、今回は同12月に発刊した「脳脊髄液漏出症診療指針」の冊子(A4判55ページ)を公表した。2007年に日本頭痛学会など8学会の代表らが参加した研究班が発足。磁気共鳴画像化装置(MRI)などを使って髄液漏れを判定する診断基準で合意し、16年度に公的な医療保険の適用対象となった。指針により、従来の診断基準では合致しなかった小さい髄液漏れもMRIで診断でき、適用対象になる。
冊子の発刊について、研究班事務局の佐藤慎哉同大医学部教授は「初めて診察する医師の手助けになる。漏出が正確に診断されるケースは増えるだろう」と期待を寄せた。
会見に同席した「脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」の中井宏代表理事(55)は「保険適用されず自殺してしまった患者もいる。今日は(髄液漏れが)公的に認められた記念日。今後も研究が継続するよう国に訴えていく」と話した。現在の診療報酬点数800点(8000円相当)の引き上げなども求めた。【的野暁】
毎日新聞2020年2月11日 11時06分(最終更新 2月11日 11時06分)

発刊した指針を手にする佐藤慎哉教授(右から2人目)、「患者・家族支援会」の中井宏代表理事(右端)ら=山形市で2020年2月10日、的野暁撮影
事故やスポーツの衝撃などで髄液が漏れ、激しい頭痛やめまいを引き起こす脳脊髄(せきずい)液減少症(髄液漏れ)について、厚生労働省の研究班(代表・嘉山孝正山形大医学部参与)が発症原因や症状、治療法などの指針をまとめ、同大医学部が10日、山形市内で記者会見して発表した。
昨年7月に指針の概要を発表し、今回は同12月に発刊した「脳脊髄液漏出症診療指針」の冊子(A4判55ページ)を公表した。2007年に日本頭痛学会など8学会の代表らが参加した研究班が発足。磁気共鳴画像化装置(MRI)などを使って髄液漏れを判定する診断基準で合意し、16年度に公的な医療保険の適用対象となった。指針により、従来の診断基準では合致しなかった小さい髄液漏れもMRIで診断でき、適用対象になる。
冊子の発刊について、研究班事務局の佐藤慎哉同大医学部教授は「初めて診察する医師の手助けになる。漏出が正確に診断されるケースは増えるだろう」と期待を寄せた。
会見に同席した「脳脊髄液減少症患者・家族支援協会」の中井宏代表理事(55)は「保険適用されず自殺してしまった患者もいる。今日は(髄液漏れが)公的に認められた記念日。今後も研究が継続するよう国に訴えていく」と話した。現在の診療報酬点数800点(8000円相当)の引き上げなども求めた。【的野暁】